音楽紀行(アルバムレビュー)

邦楽、洋楽問わず聴いたアルバムのレビューを。あと、いい音楽を見つけるツールにも。

ブレイク前夜の邂逅

VAR Japan Tour 2017 @Osaka Clapper

 個性的なアーティストを多く輩出する音楽産出大国であるアイスランドから、期待の新星バンドVARの初来日公演が実現、すさまじい衝撃を残した彼らのライブをレポートしたい。

 素晴らしいバンドの記念すべき初来日、いずれ語り継がれるであろう今回のライブは本当にとんでもなかった…!

 

Topic 1 奇跡的な来日実現

 VARは2014年に結成されたバンドである。

メンバーは

(Vo./Gt.)ユリウス

(Vo./Key.)ミラ

(Gt.)アルノー

(Ba)エギル

(Dr)シッギ

の5人。(ユリウスとミラは夫婦、エギルはユリウスの兄という間柄)

 結成後はアイスランド国内で活動していたが、ドイツの音楽レーベルの目に留まり契約を果たしている。

 日本ではRimeout Recordingsが、いち早くVARに注目し契約、同レーベル社からこれまでに作られた楽曲をまとめた編集盤「Vetur」がリリースされている。

 今回の来日ツアーもこのレーベル会社の尽力によって実現したものらしく、関係者の方々には心の底から感謝したい。

Topic 2 アットホームな会場

 大阪公演の会場、大阪アメリカ村Clapper(心斎橋)は100人くらい入るかな?というくらいの小規模なライブハウスで、ステージとの距離もとても近い!(一列目はアーティストさんが目と鼻の先に…!)

 ゆったりとした雰囲気が流れる素敵な会場は、(開演前にはVARのメンバーも普通に会場でうろうろしていた笑)先立って登場したWOMANとOUTATBERO(両バンドとも演奏も上手で曲も個性的!)の素晴らしい演奏によって大いに盛り上がり、VARの登場をまだかまだかと心待ちにしていた。

Point 1 爆発力と美麗さの同居

 静寂感が美しく伝わってくる「Undir súð」がSEで流れるとVARが登場!

 音源としては発表されていない新曲「MOMENT」でスタートした。

 しょっぱなで披露されたこの曲、激しく力強いドラムと轟音が鳴り響くギターが観客の度肝を抜く、めちゃくちゃエモーショナルな1曲!演奏される楽曲が鋭く焼き付けられるような感覚に、「これはとんでもないバンドなんだ…」と本能的に感じ取った。

 続いて「Vetur」冒頭の3曲が続けて披露された。

 ユリウスとミラの美しい歌声、繊細なピアノやキーボードの旋律、美麗なアルペジオを響かせたり一転してゴリゴリの轟音を繰り出すギター、これらがこのバンドの楽曲の肝であるが、安定したベースと、ときには楽曲のフックとなるような力強いリズムを刻むドラムが、演奏を引き締めてより立体的にしているように感じた。まさに敵無しといった具合である。

Point 2 圧倒的なライブバンド

 ライブが進むにつれこれまで音源で聴いていた各楽曲は、より魅力的な姿を見せることになる。荘厳で美しいイメージを抱いていた楽曲が、先に述べたようにライブにおける彼らのパワフルな演奏により肉体性を得て、熱量を帯びたまま聴き手の身体の奥底まで入り込んでくるようなのだ。

 「Óyndi」ではミラがボーカルを担当。美しい世界観は統一されたまま、マーラの歌声を中心に異なるアプローチの楽曲が飛び出すのも魅力である。

 圧巻だったのはラストの「Þórsmörk」

10分もの長尺で目まぐるしく展開していく楽曲だが、彼らの演奏力の全てが出し尽くされた本公演のクライマックスだった。

 Gt.アルノールは、「ここで弾くから!」とばかりに観客席のスペースを空けさせると、観客席に降りたまま激しく動きながらギターを弾き、ステージを見ると(暴れるスペースを得た?笑)ユリウスが、長髪を振り乱しヘッドバンギングしながらギターを演奏!

 むき出しの感情が楽曲と共にこれでもかと迫ってくるような熱い演奏に、観客もこの日1番の盛り上がりだった。演奏を終え死力を絞り尽くしたかのように倒れ込むユリウスの姿が印象的だった。

 こうして終演すると、まだまだ聴き足りない観客からは名残惜しくも万感の拍手がずっと広がっていた。

 

 終演後はメンバー全員がサインや写真撮影にも気さくに応じてくれた。(もちろん私もお願いし家宝に…)

 全4公演はどれも評判が良く反響も大きかったようで、早くも再来日が期待される。(VARのメンバーたちも「See You Next Year!」と言っていたり、新しい楽曲やアルバムの制作にも取り組んでいるよう!)

 知名度が上がったらいつかフェスなどにも出て欲しい。(フジロックレッドマーキーあたり合いそう!)

興味が湧いた方は、楽曲を聴いたり次回の来日公演に足を運んで、私のつたない表現力では10分の1も伝えられていない彼らの魅力を実際に体感して欲しい!

 

 年内最後に自分にとって大切なバンドがまた1つ増え続ける、とても幸せな公演だった。

 

VAR Setlist(12.06.17)

(SE)Undir súð

1.Moment
2.Back Home
3.Á kaf
4.Varmá
5.Valshamar
6.Óyndi
7.Þórsmörk

 

VETUR

VETUR