The 1975「Notes on a Conditional Form」の内容を今から予想しようぜ
(第1稿2019年4月30日)
(※2019年11月22日追記①)
(※2020年4月3日追記②)
去年The 1975がリリースした3rdアルバム「A Brief Inquiry Into Online Relationships(ABIIOR)」はファンのみならず多くの音楽好きを虜にしたとんでもない作品だったわけだが、続けて今年中に4thアルバム「Notes on a Conditional Form(NOACF)」のリリースが予定されている。
→※追記② 2020年5月22日にリリースが決まりました!
和訳タイトルは「仮定形に関する注釈」!!
出ると分かっていたら、どんな内容なんだろうかと気になっちゃうのが世の習い。いやあ気が早い!人間というものはどこまでも欲深いものである。これを書いてる4月30日時点で判明していることをまとめ、いち早くアルバムの内容を予想しよう!(そしてそれは大抵外れるのも以下略)
1.リリース日は
今のところ今年中にリリースするということは明らかだが、いつ頃になるのか。
メンバーのmattyは「もうすぐ出るよ」と示唆しているし、様々なインタビューで言及される通り5月中に少なくともリードトラックが公開されるのではないか。そして有力視されているのは、The 1975がヘッドライナーを務める本国イギリスでの「Reading and Leeds Festival」の開催日(8/23~25)より前にリリースするのではないかという予想。もしかしたら出演が決まっているSummer Sonic 2019はまさにアルバムが出たてのホットな状態での来日になるかもしれない。
※追記① 2020年2月21日にリリースが決まりました!
※追記② 5月22日に再延期しました!
参考までに前作での先行曲公開のスパンを見ると
2018年
5/31 Give Yourself A Try
7/19 Love It If We Made It
8/15 TOOTIMETOOTIMETOOTIME
9/13 Sincerity Is Scary
10/18 It’s Not Living (If It’s Not With You)
11/30 「A Brief Inquiry Into Online Relationships」リリース
という感じになっている。全く同じような形は取らないと思うが、夏にアルバムをリリースするなら先行曲を3曲くらい公開した後のリリースとなるのではないか。それとも当初からの宣言通り、3rdアルバムからの流れという意味も込め先行曲無しでいきなり5月中にリリースする可能性もあるか(最高です)。
(※追記①)
7月25日にGreta Thunbergによるスピーチを主体とした「The 1975」
8月23日に「People」
10月25日に3rdシングル「Frail State Of Mind」を立て続けにリリースしています。
マネジメントを務めるJamie Oborneによれば次のシングルは来年1月にリリース予定だそうです。
※追記②
2020年に入り
1月17日に「Me & You Together Song」
2月20日に「The Birthday Party」
4月2日に「Jesus Christ 2005 God Bless America」
がリリースされました。
2.前作との関連性は
そんな前作3rdアルバムとの関係は、そもそもなぜ二作連続でリリースすることになったかという点に立ち戻らなければならない。
元々The 1975は2ndアルバムリリース後、次回作として「Music For Cars」というタイトルのアルバムを制作していたが、考えを改め「Music For Cars=時期」として2枚のアルバム「A Brief Inquiry Into Online Relationships」「Notes on a Conditional Form」をリリースすることになった。インタビューによれば、その一因にはストリーミングの広がりにより音楽リスナーの消費が変化したことに応じ、リリーススパンを短くしようという意図もあったらしい。そのため同時期に制作されただけであり必ずしも2枚の間に深い関連性はないとのこと。
3.収録曲は
— matty (@Truman_Black) 2018年12月6日
mattyによれば18曲のデモがあるが、収録曲は18曲ではないとのこと。10曲以上にはなるらしい。
→※追記②収録リストが発表され、全22曲収録されます
噂されている収録曲は
「The 1975」(※追記① 1stシングルとしてリリース)
「The Birthday Party」(※追記② 5thシングルとしてリリース)
「102」
「jesus christ 2005 god bless america」(※追記② 6thシングルとしてリリース)
「You」
「28」
「Frail State of Mind」(※追記① 3rdシングルとしてリリース)
「Anxiety」
「Gökotta」
「Playing On My Mind」(※追記②アルバム17曲目に収録されます)
「Plastic Boyfriend」
その他、mattyがインスタグラムでちらりと公開した曲名メモには
「How did we get there」
「What should I say」(※追記②アルバム19曲目に収録されます)
「she gets me so high」
「Tonight」
といったタイトルも載っていた。
「The 1975」はお決まりとして、「102」「jesus christ 2005 god bless america」「28」は後述の通り既に公開されている。
4.歌詞の内容は
収録が予想される曲のうち、現在歌詞が判明している曲は2曲。他の曲も合わせてアルバム全体の歌詞のテーマを予想したい。
「102」は3rdアルバムリリース直後に演奏動画が公開されたほか、日本版にはボーナストラックとして収録されている。
歌詞/和訳
「102」
Well, we're here We're at the common again
ああ、僕らはここ、また同じ場所に戻ってくるさ
Smoked six of the ten fags that I only bought an hour ago
1時間前に買ったばかりの10本あったはずのタバコはもう6本無くなっていた
Said, 'Well I, I like the look of your shoes I like the way that your face looks when I'm arguing with you'
僕は言った、「ああ僕は、君の靴が気に入ってる。討論になった時の君の表情が好きさ。」
And so when, when we all grow old I hope this song will remind you I'm not half as bad as what you've been told
だからね、僕らが共に年老いたときにこの曲を聴いて、君が言うほど僕は悪くない男だったって思い出してくれたらいいな
And when I knock at a hundred and two And I see your pajamas
僕が102号室をノックすると、パジャマ姿の君が出てくる
I can't stop smiling at you
君を見て笑顔を絶やすことはないよ
That's why we're here, we're here, we're at the common again
そういうわけで、僕らはここに、ここに、同じ場所に戻ってくる
I've been pouring my heart out towards your optimistic grin
僕はにっこり笑う楽天的な君に心の内を打ち明けた
I said,'Well I, I like the cut of your jib I like the way that your face looks when you're yapping on about him'
僕は言った、「ああ僕は、君の物腰が好きさ。あの男についてぺらぺら話してる君の表情が好きなんだ。」
But on this shirt I found your smell I just sat there for ages contemplating what to do with myself
でもね、シャツに君の残り香を感じたら、僕はただ長い時間そこに座り考え込むんだ。自分の身の振り方をね。
I called you up at a hundred and two We just sat there for ages
1時2分、僕は君に電話を掛ける。僕らは長い時間話し込む。
Talking about that boy what was getting on to you
あの男について何があったか、君が話すの受話器越しに聞く。
もう1曲「jesus christ 2005 god bless america」こちらは2017年に既に存在が明かされていた楽曲で、先日ラスベガスにて行われたイベントで弾き語りされた。
The 1975 - Jesus Christ 2005 God Bless America (live acoustic) Notes On A Conditional Form
→※追記② 6thシングルとしてリリースされました。
その他の曲について。
「Anxiety」は3月に受けたインタビューでmattyが明かしたデモ曲のタイトル。誰もが持つ「心配の種」について描いたとのこと。
「You」はmattyの父Tim Healyが参加した楽曲。
Had a brill day recording a song I wrote when Matty was 11 he wanted it on his new album yippee you can hear it in April love you guys xxxx pic.twitter.com/2v5XJdp1Rh
— Tim Healy (@TheRealTimHealy) 2018年6月30日
In the studio xx pic.twitter.com/Wxs0s6diTr
— Tim Healy (@TheRealTimHealy) 2018年6月30日
なんとTim自身がmattyが11歳の時に弾いて聞かせた曲らしい。(下記動画7:40あたりでも言及)この曲はどんな内容なのか特に気になる。
ただしバンドには既に同名曲が存在するため、曲名は変えるかもとのこと。
「Playing On My Mind」はNMEのインタビュー中で明かされた1曲、自分の背負う重荷の内容を理解しようとするといった内容の楽曲とのこと。
https://www.nme.com/the-1975-album-of-year-2018-interview
→※追記②本編17曲目に収録!
「Plastic Boyfriend」は過去のインタビューによれば2ndアルバム「I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unware of it」に収録された「Paris」の原型となった曲とのことで、2012年にはバンド公式アカウントが以下の通り言及しています。
my camera loves you. you're it's girl most in demand. you be my lipstick outline. i'll be your plastic boyfriend
— The 1975 (@the1975) 2012年10月17日
以上を考慮すると、前作はmatty自身の薬物中毒の経験を踏まえた内容や多くの社会問題を取り扱う歌詞が多かったが、今作は人生観や宗教観、恋愛、生活などよりパーソナルな内容が描かれるのではないか。
5.音楽性は
前作はエレクトロやJazzなど幅広いジャンルを含んだ広い音楽性。今作も同じように様々なジャンルの楽曲が並ぶのか。
「The Guardian」におけるインタビューでは、「NOACF」は「ABIIOR」よりもより激しめかつクラブ風の曲調になり、エモーショナルな夜に似合うものとのこと。
「Q」におけるインタビューでは、今作を制作する上で影響を受けたアーティストとして、Mike SkennerによるヒップホップユニットThe Streetsやエレクトロ音楽に分類されるBurialを挙げている。
The Streets - Dry Your Eyes (Official Video)
(※追記① 3rdシングル「Frail State Of Mind」がまさにBurial等に影響を受けたエレクトロサウンドでした)
一方で、「Reddit AMA」においては、壮大なロックではなくThe 1975のエモな部分が現れたアルバムになると言及されている。参照したアーティストとしては、Joan Of Arc,Braid,Mineralを挙げている。
Joan of Arc - God Bless America
Braid-Killing a Camera (studio version)
Mineral - Love Letter Typewriter
「Frail State of Mind」は、The 1975のこれまでの楽曲のうち「If I Believe You」「Sincerity Is Scary」にも参加したトランペット奏者のRoy Hargroveがフィーチャーされているとのこと。また「Dazed」におけるインタビューによれば、社会における問題や苦悩を描いたものでUKガレージ音楽とのこと。
Roy also features on the song ‘Frail State of Mind’ from Notes On A Conditional Form
— matty (@Truman_Black) 2018年11月3日
「28」はThe 1975の前身バンド「Drive Like I Do」時代から存在する曲で、Latitude Festival 2017にて披露された曲。かなりエモっぽいインスト曲。
The 1975 - 28 (Live at Latitude)
「Gökotta」はmattyがツイッターにて明かした楽曲であり、スウェーデン語で「朝日とともに外に出て鳥の鳴き声を聞く」という意味があるらしい。タイトル以外に情報は無いが、「How To Draw/Petrical」のようなコンセプトか、はたまたアンビエント音楽でも飛び出すか。
— matty (@Truman_Black) 2018年12月2日
※追記②予想ですが、イメージ的に「The 1975」で流れる穏やかなバックトラックはこれなんじゃないかと思っています。
「The Birthday Party」は月末に行われる些細なホームパーティーを描いたアンセムで、インタビューでも「これまでで一番の曲と言われる」「物語調の歌詞も素晴らしい」とイチオシの注目曲。個人的にはアルバムからの最初の先行曲に来るのではないかと予想
※追記① インタビューでも度々この曲について言及があり、来たる来年1月予定の新曲としてリリースされるのではないかと予想しています。
※追記② 2月に5thシングルとしてリリースされました。
以上、前作同様多様なジャンルの楽曲が並ぶものの、より激しめでエモーショナルな楽曲、既存曲で言えば「Sex」に近いような曲も聴けるのではないかと期待している。とにかく楽しみで楽しみで仕方ない。新作2作を出して脂の乗りまくった状態でサマーソニックに登場するのもとても嬉しいことで、たくさんの方々にその姿を目の当たりにしてほしい限りだ。
それでは、長々となってしまったが来たるべきNewアルバムを楽しみに待ちましょう!
(参照記事は以下のものです、英語表記ですが僕の和訳を挟まない厳密な文章が気になる方はぜひご一読を)
・Dazedインタビュー
・The Gardianインタビュー
・Dork記事
・NME特集記事
https://www.nme.com/blogs/nme-blogs/new-1975-album-music-for-cars-release-date-tour-dates-2151640
・Geneus(情報がまとめられていて見やすいです)
https://genius.com/albums/The-1975/Notes-on-a-conditional-form