見逃せない!サマソニ2019「The 1975」編
こんにちは、いよいよサマソニまで2週間。フェスが間近に迫ってくると毎日本当にそわそわとしてしまいます。どれを見ようか四六時中考えたり…皆さんはもう当日どう動くか決まりましたか?
今年20周年を迎え3日間にわたり開催されるSummer Sonic 2019の出演ラインナップから、毎回1組ずつおすすめのアーティストを紹介しています。お目当てのアーティストはいるけど、他の時間はどのアーティスト見ようかなと悩んでいる方、知らないアーティストも多いしどうしようか迷っている方、ぜひ読んで参考にしていただけると幸いです。
今回紹介するのは、東京1日目マリンステージ(18:05~)/大阪3日目オーシャンステージ(18:05~)に出演するThe 1975です。私が今年のサマソニで最も楽しみにしているアーティスト。
Vol.6 The 1975
The 1975はイギリス・マンチェスター出身の4人組ロックバンド。彼らは今最も注目されるバンドの1つであり、2020年代のロックを牽引していくとても大きな存在だと断言できます。
彼らは2012年から4枚のEPを続けざまにリリースし、なかでもシングル曲である「Chocolate」は大ヒット。高い注目度は日本でも同様で、デビューアルバムのリリースに先駆け2013年のサマーソニックに初出演しており(ソニックステージの午前中という位置)、当フェスとも縁深いバンドです。
これまでに発表してきた楽曲を含む1stアルバム「The 1975」はサマソニ出演後の9月にリリース、イギリス国内の音楽チャートにてデビューアルバムにも関わらずさっそく1位を獲得しています。このアルバムにおける彼らの音楽はアルバムのアートワークやMVなどのイメージに表れているように「モノクローム」で、クールかつ翳りのある世界観を内包しつつその音楽はポップであるところが特徴的。「Chocolate」も歌詞はドラッグ中毒について描きながら、音楽は耳に残るようなギターのメロディで聴いたら誰もが踊り出したくなるようなポップさを持ち合わせています。
翌14年にもサマソニに出演した彼ら(このときは早くもメインステージ!)ですが、16年にリリースした2ndアルバム「I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it」は音楽性をさらに広げ、アルバムのアートワークに見られる「ネオンピンク」が象徴するような80年代の音楽からのエッセンスを自分たちの音楽へと昇華させてみせました。ポップのキャッチ―さに、ゴスペルやエレクトロなど幾多の音楽を溶け込ませた彼らの音楽はさらに多くの人々に受け入れられ、アルバムはイギリスだけでなくアメリカでもチャート首位を獲得します。同16年には三度目のサマソニ出演、人気の増す彼らはソニックステージのトリを飾りました。
このアルバム収録の「The Sound」という曲は、ゴスペル調のコーラスやシンセサイザーの音色、そしてバンドサウンドが一体となり、ライブを熱狂の渦に招くアンセムと化しています。そしてライブの定番でもあるこの曲では、観客を巻き込んだお決まりの演出がよくなされます。ネタバレしたくない(何も知らずにその場を迎えてほしい!)ので詳しくは語りませんが、その演出から間奏のギターソロへとなだれ込む瞬間は本当に素敵な光景になること間違いないです!
そして「彼らが2020年代を牽引するバンドであろう!」と世界中の音楽ファンを確信させたのが昨年リリースされた3rdアルバム「A Brief Inquiry Into Online Relationships」です。
R&Bやジャズなど前作以上に様々な音楽を取り入れた彼らの音楽は、ロックという枠にもはや捉われないほどの濃密かつ幅広いものになっています。またボーカルであるMatty Healy自身の経験や現代社会の状況が反映された歌詞は、より深みを増しました。「Love It If We Made It」 は簡素なシンセサイザーのイントロから、ドスッと響くドラムとともに世界での悲惨な出来事を並べ立てる切実な歌声が耳を引きます。昨今では日本においても悲しい出来事が多発しており、この歌詞とリンクする部分がありますが、この楽曲が伝えることはそんな悲惨な状況下でも「Love It If We Made It」つまり、「何かを成し遂げるのは素晴らしいことだよ」ということなのです。まさに今サマソニで演奏されることに大きな意味がある楽曲だと思います。
(↓歌詞については以前まとめた記事があるので、興味があればご参照ください。)
サマソニでのライブで注目してほしいのは楽曲や演奏はもちろん、とても目を引く舞台演出です。
「Sincerity Is Scary」は同じく3rdアルバムに収録された曲で、耳を引くサックスを始めジャズの要素をふんだんにもりこんだ楽曲ですが、当曲MVの世界観を再現すべくライブにおいても様々な演出がなされます。このライブ動画をぜひ見てほしいです。フェスでの出演なのでどこまで舞台装置が持ち込まれるか分かりませんが、演奏されるすべての曲においてバックスクリーンの映像など凝った演出が組み込まれていて、視覚的にも楽しめるライブになると思います。
The 1975が出演するメインステージには、B'z,Weezer,YUKI,WANIMA,[Alexandros],My First Story,The Strutsと日本海外それぞれで高い人気を誇るアーティストたちが並びます。2020年代を率いるであろう彼らがこの並びにいることからは、主催者の、2013年以降幾度となくサマーソニックに出演し、サマソニの歴史とともに世界屈指のバンドへと躍進してきた彼らへの賛美や感謝と、多くの日本の音楽ファンに知られ一人でも多くのファンが生まれてほしいという強い願いが表れているように私は思っています。どうかThe 1975を知らない人にこそ見てもらいたい。感情が高ぶれば、歌詞なんて知らなくたって手を突き上げてみたり、歓声を自由にあげたりしてみて欲しい。この曲良いなあと思ったらじっくり耳を傾けるのも良いかもしれない。そして好きになってくれたら、これほど嬉しいことは無いです。
フェスの醍醐味は「自分のお目当てじゃないアーティストとの出会い」だと思います。私自身フェスに行くたびに、自分の知らなかった素敵なアーティストと出会うきっかけを得ています。今回の連載企画では6組のアーティストを各記事で簡単に紹介させていただきましたが、どうか読んでいただいた方々がサマソニにて新たに素敵なアーティストや音楽を知る小さな一因になってくれれば幸いです。
20周年を迎えるSummer Sonic 2019はもうすぐそばです!全ての音楽好きが心の底から楽しめる3日間になりますように。
↓前回記事