音楽紀行(ライブレポ、アルバム感想・レビュー)

ライブに行ったレポートやアルバムの感想・レビュー。好きな音楽を見つけるツールにも

今週の新譜感想(4/10)

自宅に長くいる間の日記代わりです。

 

楽しみにしてた新譜コーナー

「The New Abnormal」/ The Strokes

ザ・ニュー・アブノーマル (通常盤)

今年のフジロックにも2日目のヘッドライナーとして出演するストロークスによる7年ぶりの6thアルバム

 

自分は1stアルバム「Is This it」をリリースしガレージロックリバイバルの旗手として名を馳せた頃の姿は知らず、その頃の音楽性にもこだわりはない。彼らの作品で一番好きなのは5thアルバム「Comedown Machine」だ。そういう前提で読んで欲しい感想。

新たな異端性」と訳せるようなタイトルに、これまでのイメージを再び覆す作品になるのだろうかと考えていた。それはリリース前に公開していた新曲「Bad Decisions」の示唆的なMVからも思ったのだが、アルバムを一聴しての感想は前作以降の歩みを形にした作品だなというもの。

 

 

それではアルバムを再生してからの大まかな感想実況。

The Adults Are Talking」か、かっこいい…早朝からガッツポーズしてみる。ギターのフレーズと音作りはクールだし、エレクトロを彷彿とするドラムのリズムに身体は踊りだす。ジュリアン・カサブランカスの歌声は無敵。

Selfless」たしかアルバム告知の動画で流れてたイントロだよなあ。勢いだけで押さない引きの美学輝くロック気持ちいい。

Brooklyn Bridge To Chorusシンセサイザーもブリブリ鳴ってるなあ。いややっぱかっこいいでしょこの作品!かっこいいかっこいいかっこいい!前作が好きすぎるからって抑えめにしてた低めのハードルを倉庫に片付けておいた。でかめのやつに取り替える。

Bad Decisions」これが先行曲の中では一番これまでの路線を感じさせる曲だった。でもこうして流れで聴くとより鮮明に、過去の焼き直しではなくバンドが培ってきたサウンドをうまく昇華して進化したのだということを感じる。

Eternal Summerフジロックで夜風に吹かれながら聴くと気持ちいいだろうな、という情景を想像した。たしかに夏も終わりって時期だ。

At The Door」最初に公開された先行曲。「Bad Decisons」から先に公開した方が良かったのでは、という声もあったが、自分にとってはこの順番でありがたかった。なぜなら「こういう曲が収録されて、いったいアルバムはどんな作品になるんだろう?」という想像を掻き立ててくれたから。そしてリリースから今日までの2か月重ねた想像の答え合わせをするかのようにここまでアルバムを聴いてきて、この曲に辿り着くという流れはすごく気持ちよかった。もう終盤、ラスト3曲だ

Why Are Sunday's So Depressing」前作の流れも感じつつ、ノスタルジーが零れ出る。あんまり御託はいらないか。でもここにギターが鳴っていることは嬉しいな。

Not The Same Anymore」うっとりしてくる音楽。ここではどのようなことが描かれているのだろうか。自分は初聴時に歌詞を読まないが、レコードが届いたら目を通してみよう。

Ode To The Mets」終わりを感じる曲はアルバムを美しく締めくくるには不可欠。落ち着いた曲調、細かな部分まで行き届いた演奏はもちろんだけど、やっぱり歌声が全てを特別にする。

 

 

「新たな異端性」という題目は今作での彼ら自身の音楽を指すと思うけど、前作から7年の間に音楽シーンは様々変化しており、その間バンドは自身の音楽性を捨てることなくメンバー各人のソロ活動で得た要素を手に歩みを進めた。その結実は果たして今の音楽シーンにおいてどんな存在なのか。そんな問いかけであったかのように思う。私にとってはそれがスペシャルに聴こえたという話でした。

 

Best Track:「The Adults Are Talking」 

 

「ニュース」/ 東京事変

ニュース(初回限定仕様)

今年の元日に復活を遂げたロックバンド

 

今作には新年早速度肝を抜いた新曲「選ばれざる国民」や、まさかのコナン劇場版主題歌タイアップ「永遠の存在証明」など収録されているが、5曲とも耳に残る楽曲でEP自体の流れもスムーズに感じた。中学生の頃聴いてたときよりもあまり癖の少ない印象だったのは今作での特徴なのか、それとも自分の感覚の変容なのかはよくわからない。

 

Best Track:「永遠の存在証明」

 

紹介してもらった新譜コーナー

「Humor」/ Pearl Center

Humor

4人組バンドPearl CenterのデビューEP

 

自主制作でリリースしたEPに次ぐ2枚目のEPとのこと。おすすめされているのを見かけて「穏やかそうな音楽かなあ」なんてジャケットを見ながら想像していたが、とんでもない!気持ちよくて刺激の溢れる音楽だ。どんなライブになるんだろう?という好奇心が湧いてくる。ちょーかっこいい!「Humor」を聴いて、いえい!いえい!いえい!と嬉しくなってきた。EPが終わるころにはキラキラした音楽に魅せられていました。

 

Best Track:「Humor」

 

 

ジャケ聴きした新譜コーナー

(アルバムのアートワーク見て聴いてみた作品)

 「BREVE II」/ Tessa Ia

BREVE II

Tessa IaによるEP二部作の2作目

 

Tessa Iaはメキシコ出身で、女優・歌手として活躍。

女優業で有名なのは主演した2012年公開映画「Después de Lucía(邦題:父の秘密)」で、この作品はカンヌ国際映画祭でも「ある視点」部門グランプリを受賞している。

楽曲の話に戻ると、メキシコの公用語であるスペイン語?で歌っていると思われるが、やはりその語感は独特のリズム感みたいなのを作ってくれるように思う。ジャンルはインディーポップかな、ジャンル分けはよくわからないので参考になりません。ドラムがしっかり鳴ってて、ポップなトラックにアコギの音色が混じってるのでオーガニックさマシマシ。こういう音楽を好んで聴くが前述の語感のおかげもあり、とても新鮮に感じる。勝手なイメージのせいか情熱的にさえ聴こえてくる、日本の歌謡曲スペイン語でカバーなんてハマりそうだけどどうだろうか。今年はどんどんアメリカやイギリスばかりでなくいろんな国の音楽を聴いていこう。脇道に逸れていった感想。

 

Best Track: 「Cooleros」

 

 

「Mothertime」/ Kalbells

Mothertime

アメリカNY州のアーティストKalmia Traverによるソロ活動Kalbellsの新EP

 

アートワークめちゃくちゃ良くないですか?って話を延々としていたいのだが、音楽の話をするとすごくトラックが面白い。アコギ主体のカントリー・ポップかなとジャケットやアー写なんかで想像を膨らませていたのだが、しょっぱなの「Mothertime」からエレクトロとシンセサイザーで大暴れの大回しじゃ!(ノブ風)90分後に自分で読み返して寒さに悶えてそうな言い回しは置いといて、この作品はとにかくいろんな音が聴こえてくるので耳がイキイキしてくる。こんなに自由気ままに音色を重ねていてもポップさが押し迫ってくるように感じるのは彼女の歌声がベリースペシャルだからかな。いそうでいなかったポップミュージシャン!話を戻すと、これまでの作品のアートワークやアー写が素晴らしいので是非。

 

Best Track: 「Precipice」

 

 

ちなみに今週一番聴いていたのは"「Heaven To Tortured Mind」/ Yves Tumor"でした。今のところ今年ダントツ好きなアルバム。特に好きな曲は「Dream Palette」です。ずっと家でレコード回して聴いてます。生活の中で他によく聴いている音楽と言えば、絶賛プレイ中のFinal Fantasy VII Remakeでのサントラでしょうか。こちらもゲーム同様良きです。

来週も素敵な音楽を聴けますように。

Heaven To A Tortured Mind [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC635)