音楽紀行(ライブレポ、アルバム感想・レビュー)

ライブに行ったレポートやアルバムの感想・レビュー。好きな音楽を見つけるツールにも

ロックンロールスターの帰還

「As You Were」Liam Gallagher ★★★★(4.0/5.0)

 2017年10月6日、世界中が待ち望んでいた彼は満を持して帰還した。

Oasis、Beady Eyeの唯一無二のボーカリストであったリアムギャラガーだが、ここ数年は散々なものだった。

Topic 1 どん底からの復活

 2009年のOasis解散以来、ノエルギャラガーはソロ活動、リアムギャラガー含め残りメンバーはBeady Eyeとして活動する。

 しかし、ソロとして成功をおさめ今年にはU2のワールドツアーにも帯同と活躍を続けるノエルと対照的に、Beady Eyeは2014年に解散、その後リアムは様々な騒動などもあり、音楽活動は全くせず(ただただツイッターで毒づくのみ)だった。

 

 そんな彼も昨年頃からソロデビューの話が出始め、今年いよいよ始動した。

Topic 2 爆発的スタートダッシュ

 「Wall Of Glass」という、オアシス期の楽曲にも勝る程のド派手なロックチューンを世界に叩き付けると、イギリス国内で復活のライブを、「One Love Manchester」では地元慈善活動のためサプライズ登場、ワールドツアーに乗り出すと日本でも「Sonic Mania」を始めライブを行い、まさに怒涛の勢いでソロ活動を進めた。だからこそアルバムの発売への期待は(長く待たされたこともあって)めちゃくちゃ膨らみ続けていた。

 

Point 1 現在音楽シーンに合わせたアップデート

 ソロを始めるにあたりリアムは、アデルやシーアなどをプロデュースしたグレッグカースティン、レディオヘッドのエンジニアや各UKロックバンドのプロデュースを担ったダングレッチをプロデューサーに迎えている。そしてこの選択は大成功している。

 

 「Wall Of Glass」「Greedy Soul」はこのアルバムの中でも一際目立つロックチューンである。(個人的にはOasis初期の名曲にも肩を並べるくらいの出来だと思う)

サビ部分で女性コーラスを入れたりホーン楽器を鳴らしているのが、いい意味で「今っぽい」が、一方でOasis、Beady Eyeでやってきた王道ロック路線は外さない。ギターなどで楽曲を弾いてみると分かるが、それは曲展開自体はシンプルにパワーコードを用いているからだろう。

 こうして王道ロックでありながら今の音楽シーンに上手くあったアレンジがなされる点がより聴き手を惹きつけているに違いない。

Point 2 手触りの良いリアム節

 「Songbird」はノエルをして名曲だと言わしめたが、リアムの書く曲の素敵なところが奇をてらわずシンプルだが暖かいメロディだと、今回のアルバムの多くの部分で思い直した。(それはアーティスティックの方面に進むノエルとは対照的である)

 「Paper Crown」「For What It's Worth」「When I'm In Need」と並ぶ3曲はアルバムでのハイライトだと感じるが、キーボードやストリングス、またリアム独特のコーラスを重ね、メロディがすごく響くアレンジになっていると思う。

Point 3 リアムのこだわりが詰まっている

 アルバムは全12曲だが(ボーナストラックは別である)構成はレコードの意識してか6曲目までと、7曲目以降で分かれるような曲順になっているように思う。ここにもなんだか、レコードやアルバムよりも楽曲単位で売れるようになったことへのメッセージ的なものを感じないこともない。

 歌詞でもU2など大御所アーティストへの憤り?を描いたという「You Better Run」などリアムならではのリリックが見られて面白い。

「Chinatown」や「Universal Gleam」など、ビートルズやジョンレノン愛が垣間見えつつ、これまでなかったようなアレンジの楽曲もあり、今後の作品も期待させる(ツアーで披露されたものの未収録の「Eh La」もいずれ発表されるとのこと)

 

いよいよアルバムが発売し、多くのファンの方が大興奮をもってこれを迎えた様子はやっぱりとても嬉しく、みんながこのロックスターの帰還を待っていたんだなあと感じさせられる。この作品はその期待に充分以上に応えて見せた作品だと断言できる!

(11月のノエルの新作へとファンの興奮は続く)

  1. Wall Of Glass    ★★★★☆
  2. Bold        ★★★☆
  3. Greedy Soul    ★★★★☆
  4. Paper Crown    ★★★★
  5. For What It's Worth ★★★★☆
  6. When I'm In Need  ★★★★
  7. You Better Run   ★★★
  8. I Get By      ★★☆
  9. Chinatown     ★★★☆
  10. Come Back To Me ★★★☆
  11. Universal Gleam  ★★★☆
  12. I've All I Need    ★★★

 

AS YOU WERE (DELUXE EDITION) [CD]

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これから聴きたいアルバム(9月)

8,9月とライブに多くいったり、私用もありバタバタしていたのですが

ようやく落ち着いたので今後はゆっくりと色んなアルバムを聴きたいと思っています。

去年もリリースラッシュだなあと感じていたのに、今年はそれ以上でまだ9月なのに年間ベストに挙げられるような傑作が多くリリースされてて興奮します!

とりあえず今気になってるのは

Arcade Fire,LCD soundsystem,Lorde,Foster the people,The National,

Kendrick lamer,The War on Drugsあたりでしょうか。

 

 下半期もU2やGallagher兄弟それぞれのソロ作など目白押しなので楽しみです!

また他にもいろいろ注目作があるようなのでいろんな方の紹介なども参考にしたいです!!

 

最近してなかったアルバムレビューもちょくちょくやりたいです。

Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25 @熊本県民総合運動公園陸上競技場

 DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25 熊本公演(2017.9/9)

7月に見た京セラドーム公演から2か月ほど経ち、25周年のアニバーサリーツアーもファイナル、熊本公演が行われました。僕自身初めての野外公演でとてもわくわくでした。

 会場はもう人がすごい量で、一度別件でこのえがお健康スタジアム(別の名前だった頃)に来た事があったのですがそのときとは全く違う様子に愕然としました笑

 

Point 1 どのシングル繰り出してもライブのハイライトになってしまう事件

 ドーム公演同様に、「CENTER OF UNIVERSE」からスタートした者の、早くも序盤から「名もなき詩」がぶっこまれてきたり、ずっと聴きたいなあと思ってた「Sign」が聴けたり。

 そして、25周年を祝うのに欠かせないデビュー曲「君がいた夏」。この演奏を聴いていると「25年たってもより若くてエネルギッシュだなあ」と感じました。「REFLECTION」以降の活動の中で、様々な挑戦を通じ充実してる感がひしひしと伝わります。

 公演通じて思ったのですが、やっぱりミスチルは色んな世代に対して「名刺代わり」に出せる曲が多いなあと。

 「innocent world」「Tomorrow never knows」の連チャンなんて普通ライブ全体通してのハイライトになって然るべきなのに、その熱量があくまでライブの「平熱」として続いていくのは、僕ら若い世代にとってもかけがえのない楽曲が多いからに違いない。

 順番は左右するが、「fanfare」や「足音~Be Strong」だってそうだし、なんだかんだ言いながら「HANABI」は会場がこの日一番の一体感を感じた。

 

Point 2 ライブで化ける曲

 でもって、ミスチルはらいぶでの選曲がすごく上手いなって感じるのが、ライブの根幹を作ったり強いメッセージを伝える際にはアルバム曲やカップリング曲を使うことが多い点だ。こういった曲がいわゆる「ライブ化け」する。

 古くは「I ♥ U」のツアーでの「Hallelujah」だったり、「未完」ツアーでの「ALIVE」だったり…。

 今回でいえば「1999年、夏、沖縄」がまさに化けた曲だ。

歌詞が25周年のMr.Childrenの歩みを歌っているかのように聞こえるし、曲中での桜井さんのMCもめちゃくちゃ響いた。

 

 広いスタジアムで、野外に響く「Simple」の弾き語りも派手で規模のでかいライブ演出と対照的で、すごく素敵だった。

 

 ライブ化けと言えば「思春期の夏~君との恋が今も牧場に~」は言うまでもない笑

 

Point 3 野外ライブの親和性

 今回、ミスチルの野外公演に初めて参加できたのだが、ひとつ確信したのは彼らには野外がすごく似合うということだ。

 うっすら暗くなってきた夜空に、照明はとてもきれいに映えていたし、音響も演奏や歌声がどんどん広がっていくようで気持ち良い。

 これまであまり好んで聴いてなかった「365日」が野外公演で聴くとめちゃくちゃ良くて、これまでの3倍は好きになった!

 

 「ポケットカスタネット」からの「himawari」は、どちらも心の持つ「カオスな感情」みたいなのを描いていて、圧倒的な演奏によって、まさに桜井さんの宣言通り「コテンパン」にされた。

 

 終盤も祭りのような盛り上がりに終始し、アンコールは「蘇生」からの「終わりなき旅」。

 「終わりなき旅」は最小限の照明だけ使うという演出で今ツアー一貫しているのだが、スタジアム公演だと夜空の相まってほんとにかっこいい。熊本公演は映像作品化されるらしいので楽しみなところでもある。

 

 3時間まるまる大満足なライブだったし、「もっと聴きたい!」「新曲もライブも待ち遠しい!」と思える瞬間でもありました。

 ライブ終演後には、25周年ツアーのファイナルを祝うかのように花火も上がってより思い出に残るライブでした。

 

 年末かあるいは来年あたりには出そうなNewアルバムや、本公演のBlu-ray(DVD)での映像化も楽しみにしたいです!!

 

セットリスト

  1. CENTER OF UNIVERSE
  2. シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~
  3. 名もなき詩
  4. GIFT
  5. Sign
  6. ヒカリノアトリエ
  7. 君がいた夏
  8. innocent world
  9. Tomorrow never knows
  10. Simple
  11. 思春期の夏~君との恋が今も牧場に~
  12. 365日
  13. HANABI
  14. 1999年、夏、沖縄
  15. 足音~Be Strong
  16. ランニングハイ
  17. ニシエヒガシエ
  18. ポケットカスタネット
  19. himawari
  20. Printing
  21. Dance Dance Dance
  22. fanfare
  23. エソラ
  24. overture
  25. 蘇生
  26. 終わりなき旅

 

himawari (初回生産限定盤)(CD+DVD)

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Sonic Mania 2017 @幕張メッセ(Part 2 )※セットリスト掲載済み

Point 1 今一番踊れるロック

続いて、Kasabianを。新作が素晴らしい出来だったので今回の大本命でした!けっこう前目まで頑張って行きました。

 

 セットリストはめちゃくちゃ豪華でひたすら踊り倒せ!っという感じでした笑

新アルバム1曲目である「III Ray (The King)」からスタートし、「Eez-Eh」「Underdog」など前半から畳みかけるような選曲!!パフォーマンスも安定してて、観客もみんな揺れたり体を動かしながら聴いてたのが印象的です。

聴きたかったポップな「You're in Love With a Psycho」まででひとしきり盛り上がると、「リアムギャラガー!!」と観客共々叫びながら、彼を称えるべく捧げられたのは「Club Foor」でした!!会場中が飛び跳ねながらシンガロングでこのあたりから訳が分からないくらい盛り上がりました!観客席の一番左側で柵を頼りつつ見てた僕も、気づけば思わず中央エリアに流れてました笑

 「L.S.F」でのシンガロングで本編が締めくくられると、観客による再度の「L.S.F」大合唱を待ってアンコールへ。

新作「Comeback Kid」ではトランペットが印象的でまた盛り上がり、新作アルバムジャケットを飾るバンドスタッフも登場しつつ、ラスト「Fire」では曲中に「Sit Down!」の指示のもと全員がしゃがみ、一気にジャンプしてテンションが爆発する演出もあり、凄まじい盛り上がりのまま終わりました。終盤はもうみんなめちゃくちゃジャンプしててライブハウスばりの盛り上がりだったからか、メンバーたちも何度も柵前まで来てくれたりサービスも旺盛にしてくださり、素晴らしい時間になったと思います。

 これだけ盛り上がるならぜひ近いうちにまた日本で単独公演やってほしい!!という圧巻のステージでした。

 

Kasabian セットリスト

1.III Ray (The King)

2.Bumblebeee

3.Eez-Eh

4.Underdog

5.Shoot the Runner

6.You're in Love With a Psycho

7.Club Foot

8.Treat

9.Switchblade Smiles

10.Bless This Acid House

11.Stevie

12.L.S.F

13.Comeback Kid

14.Vlad the Impaler

15.Fire

 

Point 2 〆には充分すぎる

 ラストはORBITALでした。既にマウンテンステージ後方は死屍累々と言った様子(笑)でしたが、ORBITALにプレイはまた圧巻。音圧もすごく「行くっきゃない」と思い最後の力を振り絞って最前中央エリアで踊りまくってきました。

 「Halcyon」「Belfast」「Chime」など終盤での盛り上がりが凄く、最高の締めくくりになったと思います!!

ORBITAL setlist

1.Lush 3

2.Impact(The Earth Is Burning)

3.Copenhagen

4.Wonky

5.Forever

6.The Girl With the Sun in Her Head

7.Satan

8.Halcyon

9.Belfast

10.The Box 

11.Chime

12.Where Is It Going?

 

 

今年のソニックマニアは各アーティストの時間が長めにとってあるのもあり、どのアーティストのときも大満足できました!!

 来年以降も、サマソニに勝るとも劣らないラインナップを今年同様揃えてほしいです!

 

FOR CRYING OUT LOUD

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Orbital 20

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Sonic Mania 2017 @幕張メッセ(Part 1 )※セットリスト掲載済み

 初めてのオールナイトフェス!!でとても楽しみにしていました。 

 

 開場時間20時頃に到着、だいぶ並んでいましたがスムーズに入場できました。

 Perfumeがトップバッターを務めるマウンテンステージは既に結構並んでいたので、オープニングアクトのMississippiKhakiHairを見たのち(爆音で音が鋭くてこれまたかっこよかった!)ソニックステージへ。

 

Point 1 圧倒的なオリジナリティ

 ソニックステージのトップバッターはJUSTICEでした!最前列を確保し待つこと1時間弱。メンバー2人が登場すると、DJセットで70分ほぼほぼノンストップでした!!

 多くのEDMと違う、一筋縄ではいかないメロディだったりコーラスの使い方がオリジナリティをガンガン出してて、照明や液晶の演出も相まって(大量に積まれたマーシャルのアンプ1個1個が液晶になっててかっこよかった!)、会場はめちゃくちゃ踊ったりジャンプしたりシンガロングしたりと終始大盛り上がりでした。個人的には、何分間も2人がマイケルジャクソンばりに静止して、観客を焦らすシーンからの「Water of Nazareth」が一番爆発したと思います!

 終演後には、JUSTICEの2人も満足したのか柵の前までハイタッチしに来てくれました!メンバーの一人であるグザビエは柵を乗り越え、観客に持ち上げられ大盛り上がり。自分の目の前で乱入してくれてめちゃ興奮しました!!

JUSTICE setlist(※Mash Up 含む)

1.Safe and Sound

2.D.A.N.C.E

3.Canon/ Love S.O.S

4.Genesis

5.Phantom/Pleasure/Newjack

6.Civilization/Heavy Metal/DVNO

7.Stress

8.Love S.O.S

9.Alalazam!/Fire/Love S.O.S

10.Water of Nazareth

11.We Are Your Friends

12.Chorus

13.Audio,Video,Disco

 

Point 2 バラエティ溢れるラインナップ

 機材トラブル(自前の機材が届かなかった?)で開演が遅れたShobaleader Oneを最初の1曲だけでしたが見られて本当によかったです。自前の機材じゃないのにこんな音が良くて、超絶技巧がバキバキに駆使される様子は、本当にこの世のことじゃないかのような神々しさ…次があるならばと絶対にライブを観たいです。

 

Shobaleader One Setlist

1.Coopers World

2.Hello Meow

3.Lambic 5 Poetry

4.Squarepusher Theme

5.E8 Boogie

6.Tensor in Green

7.Delta-V

8.Anstromm-Feck 4

9.Tetra-Sync

10.A Journey to Reedham (7am Mix)

 

 対してマウンテンステージのLiam Gallagherは、王道のロックンロールでとにかく会場の盛り上がりが熱かったです!

 前日の単独公演より喉の調子も良く、ラストの「Be Here Now」「Live Forever」「Wonderwall」の三連発は間違いなくソニマニのハイライトのひとつでした!

 

Liam Gallagher setlist

(Fuckin' In The Bushes)

1. Rock'n'Roll Star

2.Morning Glory

3.Wall Of Glass

4.Greedy Soul

5.Bold

6.For What It's Worth

7.D'You Know What I Mean ?

8.Slide Away

9.Eh La

10.Chinatown

11.I Get By

12.You Better Run

13.Universal Gream

14.Be Here Know

15.Live Forever

16.Wonderwall

(Part 2 Kasabian,ORBITALへ)

 

WOMAN

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As You Were

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