どこにいても聴ける曲
「OK Computer」Radiohead ★★★★★(5.0/5.0)
いやぁ、勘違いしてました。ほんとに。だってしょうがないじゃないか(えなりかずき風)個人的90年代ギターロックの最高潮のひとつとして名高い2ndアルバム「The Bends」からレディオヘッドを知った身からしたら、そのアルバムジャケといい一聴して感じる陰鬱な雰囲気と言い、こりゃ無機質で冷たいアルバムなんだなと思うのも無理なしで。「OK Computer」なんていうタイトルにも騙された。
いや違うんだと。2nd以前とは違う、4th以降とも異なる魅力、緻密な構想のうえにある、人間臭さにやっと気づけた20代初め。大人になったという事か。
ということで週末に控えたサマーソニックのド本命、レディオヘッドが誇る名盤を。
Topic 1 バンド、およびロックの転換点
1stアルバムの流れから、2ndアルバム「The Bends」は轟音ギターに一筋縄ではいかないメロディが絡んだ、熱量の高い作品であり、見事世界中に名を轟かせた。そして、今作。様子が違う。前作あれだけ熱かったのと対照的に、とにかく静かだ。Vo.トムはなんか呟くように歌ってるし、アレンジも落ち着いたものが多い。
Topic 2 生演奏を重視した制作
聞けば、今作ではバンドに制作の進行権が一任されて、電子音ではなく楽器の演奏とその加工のみで制作されたらしい。
この狙いが、派手ではない暗い楽曲が並んでも、手触りがいいというか暖かい人間らしさみたいなのを感じさせているのかなあと。
Point 1 といいつつ前作踏襲の熱い冒頭2曲
でも、なんだかんだ冒頭の「Airbag」そして、「Paranoid Android」といった前作踏襲のノイズギター面目躍如!みたいな曲も聴いちゃうのだ。ただ、構成なんかでまた単純な曲にはしない。「Paranoid Android」とか、何回曲調変わんねん!どんな頭してんのこの曲作ったやつ…とか高校生のころ思った記憶がある。
Point 2 静かだけど暖かい曲
しかし、真骨頂は静か目な曲調の楽曲たち。「Exit Music (For A Film)」「Let Down」「Karma Police」の三連発とか、おとなしいなりして凶暴過ぎ。「Let Down」の最初のイントロだけで泣ける自信あるわ。
そして、「No Surprises」の圧倒的クライマックス感。物語の終わるかんじ。ギターのメロディ優しすぎませんか?現時点での僕の生涯がドラマになった場合のエンディング決定。
無機質なようでいて、暖かくって聴きやすい。確かに聴くのに集中力がいるかもしれないけれど、どこにいても聴けるし、寄り添ってくれる。そんな人懐っこい芸術。
- Airbag ★★★★
- Paranoid Android ★★★★★
- Subterranean Homesick Alien ★★★
- Exit Music (For A Film) ★★★★☆
- Let down ★★★★★
- Karma Police★★★★
- Fitter Happier (インスト曲)
- Electioneering ★★★☆
- Climbing Up The Walls ★★★
- No Surprises ★★★★☆
- Lucky ★★★☆
- The Tourist ★★★★
OK COMPUTER OKNOTOK 1997 2017 [帯解説・歌詞対訳 / 紙ジャケ仕様/ 高音質UHQCD / 2CD / 国内盤] (XLCDJP868)
- アーティスト: RADIOHEAD,レディオヘッド
- 出版社/メーカー: Beat Records / XL Recordings
- 発売日: 2017/06/23
- メディア: CD
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