The 1975「Then Because She Goes」歌詞和訳・解釈
5/22にリリースされたThe 1975による4枚目のアルバム「Notes On A Conditional Form」収録曲である「Then Because She Goes」
この曲はシューゲイザーと称されるようなギターの音色とドリーミーな歌声にPhoebe Bridgersのコーラスが混ざり合う楽曲で、歌詞もその音像が重なるような甘酸っぱさ。
和訳だけ読みたい方もいらっしゃると思いますので、脚注は下段にまとめています。気になる方はそちらもご一読いただくとより楽しめると思います。
和訳
You are mine, I've been drowning in you
君は僕のもの、僕は君に溺れていたんだ
Reflect your light again
朝日に照らされた君の姿を今日もまた瞳に映す*1
Beautiful, please don't cry, I love you
綺麗だ、泣かないで、愛してるよ
When you leave , I cry on the inside
君が僕のもとを去るとき、涙は心に仕舞い込む*2
I wake up, love you, so love you, love you, love you, love you
目が覚めたらずっと君への愛ばかり、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる
Cry
涙があふれる
I wake up, love you, love you, love you love you
目が覚めたらずっと君への愛ばかり、愛してる、愛してる、愛してる
Supposed to leave by half-past eight
8時半にこっそり出ていくはずだった*3
You wait for a bit
だけど君はその出発を少し遅らせるんだ*4
Pissed again, I've been dying to meet you
また酔っぱらって、君に会いたくて堪らなくなった
Reflect your light again (I love you)
朝日に照らされた君の姿をまた瞳に映したいな(君を愛してる)
I love you, oh, I love you
愛してる、ああ、君を愛してるんだ
When you leave, I cry on the inside
君が僕のもとを去るとき、涙は心に仕舞い込む
Oh,I love this, I love you, love you, love you, love you
目が覚めたらずっと君への愛ばかり、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる
Cry
涙があふれる
I wake up, love you, love you, love you love you
目が覚めたらずっと君への愛ばかり、愛してる、愛してる、愛してる
Supposed to leave by half-past eight
8時半にこっそり出ていくはずだった
But you stay all the way
でも君はわざわざ家を出るまで一緒にいてくれる*5
解釈
*1:「reflect」は大きく分けて反射するという意味と、よく考えるという意味があります。ここでは「your light」という表現が続くことから前者の意味合いが適切なように思えますが、彼女を照らす朝日の光が反射し瞳に届く、それと共に彼女の姿を見てまた彼女への愛や彼女自身について深く考えるという、という意味でも捉えられるかもしれません。
*2:この楽曲において描かれるのは、彼女との関係が終わりを迎える前の日々について。歌詞の中で描かれる日々を経た結果、「Then because she goes」つまり彼女は自分のもとを去って行ってしまうのです。
「僕」は多忙であり、たまに彼女と家で一緒に過ごせる日があっても、翌朝には朝早くまた出ていかなければいけません。朝日が昇る頃に目覚め、まだ隣で眠っている彼女の姿を見ながら愛情を再確認する。彼女が起きる頃には自分の姿は無いわけで、それを悲しんで泣かないで欲しいと願う。
こうした生活の果てに彼女との別れが待っているのだとしたら、ずっと彼女に涙を我慢させてきた自分には表立って泣く資格なんてないなと述べているのではないでしょうか。
*3:「Supposed to」という表現は、本来ならこうなるはずなのに、実際にはそうではなかったというニュアンスで用いられることがあるそうです。ここでは8時半に出発するはずだった、でもそうはならなかったということになります。
*4:朝早くの出発なので、彼女を起こさないようにこっそり家を出る「つもりだった」んです。でも彼女がその出発を少し遅らせることになります。どうしてでしょうか、それは後の歌詞から分かります。
*5:先の歌詞であるように、「朝早く彼女を起こさずに家を出るつもりだったが、彼女がその出発を少し遅らせた」のはこういうことだったんです。つまりは「僕」が朝早くに出発するであろうと分かっていた彼女は、朝早いにも関わらずわざわざ目を覚まし、出発までの間ずっと彼の側にいてくれたのです。それはもちろん彼女自身が寂しいということもありますが、朝早くに彼女を横目に1人家を出る彼はきっと寂しい思いをするでしょう。そんな彼を思いやって「いってらっしゃい」と見送るべく朝の時間を共にする。だからこそ「僕」もありがたく感じつつ、本当はずっと一緒にいたいのにまた離れなければいけないことを惜しみ、少し出発を遅らせてしまうのです。この一節にはお互いの愛情が溢れているように感じます。