音楽紀行(ライブレポ、アルバム感想・レビュー)

ライブに行ったレポートやアルバムの感想・レビュー。好きな音楽を見つけるツールにも

明日サマソニなので訥々と楽しみなアクトを挙げる

 3日間みっちり楽しみ尽くす予定のサマソニ。楽しみにしているアーティストは数多くいる。

 

 

 1日目まず楽しみなのはAlec Benjamin,Sam Fenderだ。サマソニが若手有望株を大ブレイクに先駆けてブッキングすることは去年のBillie Eilishから、もっと遡れば初年度のColdplay,Muse,Sigur Ros等々挙げれば言うまでないが、今年においてその枠に入る候補筆頭はこの2人だと思う。

 Weezerも楽しみだ。4つのコードで人を虜にする魔法、別名「Say It Ain't So」を絶対聴きたい。

 そして今年一番のお目当て、The 1975だ。今さら語るまでもない、全神経と細胞を60分余りのライブに集中させたい。

 ミッドナイトではMGMTが80分フルセットで楽しめる、深夜という時間ロケーションが堪らなくマッチする予感しかしない。

 

2日目は凄まじいメンツだ。タイから来るTelex TelexsやPhum Viphuritあるいは日本のCHAIなど世界に羽ばたくアジア圏のアーティストが数多く見られそうだ。

 そしてソニックステージではTash SultanaとFoalsが楽しみだ。どちらも味は違うがライブでの切れ味はとんでもないはず。

 最後に見たいのはずっと大好きなレッチリ。入場規制はかかってほしくない。かかったらソニックステージでCatfish and the Bottlemenが見れるのでそれはそれで安心。

 ミッドナイトも盛りだくさん。来日公演も大好評だったThe Cinematic Orchestraや、新譜がすごくすごく良かったサカナクション。起きていられればFloating Pointsも楽しみたい。

 

サマソニ3日目はいまだにどれを見るか決められないくらい良いアクト揃いだ。

 Suchmos,Perfumeはしっかり見たい。Prep,Octavianをどっちも見たいし、やはりBrockhamptonは必見だ。(この文章を書いている当日には単独公演にも行く)

 18時以降の各ステージ準トリが出始める時間帯は、どのステージをとっても楽しめる自信がある。マウンテンステージではChvrches,Disclosureが、ソニックステージではFlumeが見たいし、マリンステージのZedd,The Chainsmokersの流れは白眉だろう。そのなかでも夕暮れのビーチステージでFKJのライブというのは、一生ものの時間になるのではないかと期待している。この日については何を見るのか結論を当日に先伸ばししてもよかろう。

 

今年のサマーソニックに行かれる方々、あるいは今年より始まる中継を自宅で視聴する方々は、何を見る予定だろうか。いずれにしても、それぞれにとって素敵な時間になりますように。

Everything Not Saved Will Be Lost Pt.2

明日サマソニなので訥々と去年を振り返る

 去年のサマソニは本当に最高だった。16年から行き始めたのだが、心からこのフェスを好きになったのはこのときだ。

 

 金曜日に帰省先から飛行機で会場へ向かう。ホテルにチェックインした後、ふらふらと設営も最終段階を迎えた会場を散歩した。たしかマリンステージでバンドがリハしていた記憶(The Sherlocksだったかな?)がある。

 夜にはソニックマニア。こちらはJusticeやKasabianに心踊らせた17年以来2度目の参加。物販にやや時間を取られながら、ちらっとDorian Conceptを見た。目的のアーティストとの被りがあって全然見れなかったが、この日のBrainfeederステージはとんでもない面子揃い。elbowステージも夢の中であるかのような装飾に胸踊ったな。

 向かったのはNine Inch Nailsのステージ。直近三部作がかっこよくて見ようと思ったのだが、パフォーマンスから演出から観客の暴れっぷりからどれをとっても圧倒された記憶しかない。

 そしてこの日一番のお目当て、My Bloody Valentineだ。会場で耳栓を配るほどの轟音に開演前ならビビりつつ、同行者に連れられ最前エリアへ。この位置で聴いたマイブラの音は、聴覚のみならず五感全てで感じ取った全てを忘れないだろう。音が降ってきたのだ、臓物が揺れるのだ。そして甘美で優しかった。

 

 翌日はサマソニ1日目。ゆったり会場に行きまず目にしたのは既にライブも終盤、観客の心を鷲掴みにしていたPale Wavesだ。ラスト3曲を聴いて一発で恋に落ちた。(タワレコインストアライブや翌年の単独公演にまで行ったことは割愛)

ちらっと通りすぎたソニックステージは、すごく低音がズンズンと聴こえてきたことを覚えている。それが後に大ブレイクを果たすBillie Eilishだったことはこの年一番の後悔か。

 この日一番見たかったNoel Gallagher's High Flying Birdsは泣きに泣いた。バンドの熟練度が素晴らしくソロ名義での楽曲は過去最高に良く響いた。Little By Little,Whateverの二連擊には、私のゆるゆるの涙腺では耐えきれなかった。マリンステージに響くお約束の合唱も思い出だ。

 急いで向かったTame Impalaはすでに終盤。大量の花吹雪を見ながらサイケな音色を聴いていると、こっちはこっちでしっかり全編見たかったなあと。

 そのままソニックステージに残りミッドナイトソニック。念願のWolf Aliceのステージは、アリーナクラスの会場が似合うバンドなんだとひしひしと感じるアクト。

 

眠気を引きずりつつ、アドレナリンをドバドバ出して向かったサマソニ2日目。いろいろ素敵なアクトを見たが、この日に関してはChance The Rapperしか頭に残っていない。ヒップホップのライブは日本では難しい、なんてよく外野から囁かれたが、この日のステージは極上の光景だった。圧巻のパフォーマンス、それに対する観客からの愛のこもったレスポンス。お前ら最高だよ、とばかりに満面の笑みを見せたChance The Rapperの姿を忘れない。

 

 

こんな風に丸一年経っても、いくらでもタラタラと語れるくらい鮮烈な体験になったのが去年のサマソニでした。

 明日から2019年、20周年記念のサマーソニックに行きます。今年の3日間は、どんな記憶を残すことになるのかな。 

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見逃せない!サマソニ2019「The 1975」編

 こんにちは、いよいよサマソニまで2週間。フェスが間近に迫ってくると毎日本当にそわそわとしてしまいます。どれを見ようか四六時中考えたり…皆さんはもう当日どう動くか決まりましたか?

 

 今年20周年を迎え3日間にわたり開催されるSummer Sonic 2019の出演ラインナップから、毎回1組ずつおすすめのアーティストを紹介しています。お目当てのアーティストはいるけど、他の時間はどのアーティスト見ようかなと悩んでいる方、知らないアーティストも多いしどうしようか迷っている方、ぜひ読んで参考にしていただけると幸いです。

 

 今回紹介するのは、東京1日目マリンステージ(18:05~)/大阪3日目オーシャンステージ(18:05~)に出演するThe 1975です。私が今年のサマソニで最も楽しみにしているアーティスト。

 

Vol.6 The 1975

 The 1975はイギリス・マンチェスター出身の4人組ロックバンド。彼らは今最も注目されるバンドの1つであり、2020年代のロックを牽引していくとても大きな存在だと断言できます。

 

 彼らは2012年から4枚のEPを続けざまにリリースし、なかでもシングル曲である「Chocolate」は大ヒット。高い注目度は日本でも同様で、デビューアルバムのリリースに先駆け2013年のサマーソニックに初出演しており(ソニックステージの午前中という位置)、当フェスとも縁深いバンドです。

  

 これまでに発表してきた楽曲を含む1stアルバム「The 1975」はサマソニ出演後の9月にリリース、イギリス国内の音楽チャートにてデビューアルバムにも関わらずさっそく1位を獲得しています。このアルバムにおける彼らの音楽はアルバムのアートワークやMVなどのイメージに表れているように「モノクローム」で、クールかつ翳りのある世界観を内包しつつその音楽はポップであるところが特徴的。「Chocolate」も歌詞はドラッグ中毒について描きながら、音楽は耳に残るようなギターのメロディで聴いたら誰もが踊り出したくなるようなポップさを持ち合わせています。

THE 1975-デラックス・エディション

 

 翌14年にもサマソニに出演した彼ら(このときは早くもメインステージ!)ですが、16年にリリースした2ndアルバム「I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it」は音楽性をさらに広げ、アルバムのアートワークに見られる「ネオンピンク」が象徴するような80年代の音楽からのエッセンスを自分たちの音楽へと昇華させてみせました。ポップのキャッチ―さに、ゴスペルやエレクトロなど幾多の音楽を溶け込ませた彼らの音楽はさらに多くの人々に受け入れられ、アルバムはイギリスだけでなくアメリカでもチャート首位を獲得します。同16年には三度目のサマソニ出演、人気の増す彼らはソニックステージのトリを飾りました。

君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。

 

 

 このアルバム収録の「The Sound」という曲は、ゴスペル調のコーラスやシンセサイザーの音色、そしてバンドサウンドが一体となり、ライブを熱狂の渦に招くアンセムと化しています。そしてライブの定番でもあるこの曲では、観客を巻き込んだお決まりの演出がよくなされます。ネタバレしたくない(何も知らずにその場を迎えてほしい!)ので詳しくは語りませんが、その演出から間奏のギターソロへとなだれ込む瞬間は本当に素敵な光景になること間違いないです!

 

 そして「彼らが2020年代を牽引するバンドであろう!」と世界中の音楽ファンを確信させたのが昨年リリースされた3rdアルバム「A Brief Inquiry Into Online Relationships」です。

 R&Bやジャズなど前作以上に様々な音楽を取り入れた彼らの音楽は、ロックという枠にもはや捉われないほどの濃密かつ幅広いものになっています。またボーカルであるMatty Healy自身の経験や現代社会の状況が反映された歌詞は、より深みを増しました。「Love It If We Made It」 は簡素なシンセサイザーのイントロから、ドスッと響くドラムとともに世界での悲惨な出来事を並べ立てる切実な歌声が耳を引きます。昨今では日本においても悲しい出来事が多発しており、この歌詞とリンクする部分がありますが、この楽曲が伝えることはそんな悲惨な状況下でも「Love It If We Made It」つまり、「何かを成し遂げるのは素晴らしいことだよ」ということなのです。まさに今サマソニで演奏されることに大きな意味がある楽曲だと思います。

(↓歌詞については以前まとめた記事があるので、興味があればご参照ください。)

 

yamapip.hatenablog.com

 

 サマソニでのライブで注目してほしいのは楽曲や演奏はもちろん、とても目を引く舞台演出です。

 

 「Sincerity Is Scary」は同じく3rdアルバムに収録された曲で、耳を引くサックスを始めジャズの要素をふんだんにもりこんだ楽曲ですが、当曲MVの世界観を再現すべくライブにおいても様々な演出がなされます。このライブ動画をぜひ見てほしいです。フェスでの出演なのでどこまで舞台装置が持ち込まれるか分かりませんが、演奏されるすべての曲においてバックスクリーンの映像など凝った演出が組み込まれていて、視覚的にも楽しめるライブになると思います。

 

 

 The 1975が出演するメインステージには、B'z,Weezer,YUKI,WANIMA,[Alexandros],My First Story,The Struts日本海外それぞれで高い人気を誇るアーティストたちが並びます。2020年代を率いるであろう彼らがこの並びにいることからは、主催者の、2013年以降幾度となくサマーソニックに出演し、サマソニの歴史とともに世界屈指のバンドへと躍進してきた彼らへの賛美や感謝と、多くの日本の音楽ファンに知られ一人でも多くのファンが生まれてほしいという強い願いが表れているように私は思っています。どうかThe 1975を知らない人にこそ見てもらいたい。感情が高ぶれば、歌詞なんて知らなくたって手を突き上げてみたり、歓声を自由にあげたりしてみて欲しい。この曲良いなあと思ったらじっくり耳を傾けるのも良いかもしれない。そして好きになってくれたら、これほど嬉しいことは無いです。

 

 

 フェスの醍醐味は「自分のお目当てじゃないアーティストとの出会い」だと思います。私自身フェスに行くたびに、自分の知らなかった素敵なアーティストと出会うきっかけを得ています。今回の連載企画では6組のアーティストを各記事で簡単に紹介させていただきましたが、どうか読んでいただいた方々がサマソニにて新たに素敵なアーティストや音楽を知る小さな一因になってくれれば幸いです。

 

 20周年を迎えるSummer Sonic 2019はもうすぐそばです!全ての音楽好きが心の底から楽しめる3日間になりますように。

 

↓前回記事

yamapip.hatenablog.com

 

ネット上の人間関係についての簡単な調査

見逃せない!サマソニ2019「Tash Sultana」編

 こんにちは、いよいよフジロックも終わりサマソニに向けて見たいアーティストの楽曲やアルバムを聴き返す日々を過ごしています。

 今年20周年を迎え3日間にわたり開催されるSummer Sonic 2019の出演ラインナップから、毎回1組ずつおすすめのアーティストを紹介しています。お目当てのアーティストはいるけど、他の時間はどのアーティスト見ようかなと悩んでいる方、知らないアーティストも多いしどうしようか迷っている方、ぜひ読んで参考にしていただけると幸いです。

 

 今回紹介するのは、東京2日目ソニックステージ(16:35~)/大阪1日目オーシャンステージ(14:20~)に出演するTash Sultanaです。

 

Vol.5 Tash Sultana

 Tash Sultanaはオーストラリア出身のミュージシャン。3歳の頃に祖父からギターを貰ったことをきっかけに音楽を始めました。17歳の頃にはドラッグ中毒に陥ったものの克服。しかしその過去への偏見から定職につけなかったため、音楽の道で生きていくことを誓います。路上ライブから始めた彼女は同時に様々な楽器の演奏技術を会得していき、クリスマスに母親からもらったGoProを使って演奏動画をネットにアップしました。これが大反響を呼び、なんと5日で約100万回再生。

それがこの動画です。

Tash自身の代表曲となる「Jungle」はこの動画とともに世界中に広まることとなります。その演奏スタイルはループペダルを駆使しギターの音色を重ねていく奏法。あのJimi Hendrixをも引き合いに出されるギターの腕前と巧みなアンサンブルの構築が魅力的!とにかくこの動画、7分55秒間に身を委ねれば全てが分かります。

 

 Tashの真骨頂はライブにこそあります。こちらは「Gemini

 さきほどの「Jungle」とは一転ギターを用いない演奏ですが、ここでもルーパーを駆使した演奏が披露されます。Tashはギター以外にもピアノ、キーボード、リズムマシンなどなど20種類以上の楽器を操るマルチプレイヤーとしての一面も魅力の1つ。無論ライブでもステージに1人で立ち、あらゆる楽器を用いてアンサンブルを重ね素敵な音楽を会場に産み落としてくれることでしょう。

 

 昨年にはデビューアルバムとなる「Flow State」をリリースしたTashですが、今年に入っても新曲「Can't Buy Happiness」をリリースしています。

 

 ここまでTashの演奏にばかりスポットを当ててきましたが、その歌声も楽曲の大部分を占める大きな魅力だと思います。ささやかな歌声からおおらかでのびやかな歌声まで、また寂しげで悲しげな歌声から力強く頼りになるような歌声まで様々な表情を見せますが、不思議とTashの演奏する多様な楽器の音色にすごくマッチするところがとても良い!(すべてTashが作り出す音色だと考えると必然かもしれないが)この曲でも、ときおりロングトーンの揺れる歌声とアコースティックギターの音色とが混ざり合ってこの楽曲が描こうとするテーマを体現しているように感じます。そして気持ちよさそうに染み入るように演奏し歌うTashの表情も、これまたとても素敵です。

 

 

 初来日となるサマソニでのステージは、きっと見るもの全てを虜にするようなとんでもないものが見られるような予感があります。ステージに1人立つTash Sultanaというアーティストから、ここに何人アーティストがいるのか!?1つのバンドが演奏しているのか!?と錯覚してしまいそうな濃密で渾然一体となった音楽が飛び出すのを楽しみにしたいです。

 

 次回はいよいよ今回連載企画の最終回。自身が今年一番見るのを楽しみにしているThe 1975を紹介します。お楽しみに!

↓過去記事

 

 

yamapip.hatenablog.com

 

フロー・ステイト (特典なし)

見逃せない!サマソニ2019「Alec Benjamin」編

 こんにちは、大熱狂のフジロックが終わりましたね。苗場まで行かれた方、おうちでまったり中継を見られた方、どのアーティストを楽しまれましたか?そして、もうすぐそこにSummer Sonic 2019の開催も迫ってきました。夏はやっぱり音楽好きには忙しい時期ですね笑

今年20周年を迎え3日間にわたり開催されるSummer Sonic 2019の出演ラインナップから、毎回1組ずつおすすめのアーティストを紹介しています。お目当てのアーティストはいるけど、他の時間はどのアーティスト見ようかなと悩んでいる方、知らないアーティストも多いしどうしようか迷っている方、ぜひ読んで参考にしていただけると幸いです。

 

 今回紹介するのは、東京1日目ソニックステージ(12:10~)に出演するAlec Benjaminです。個人的に今年の大注目枠!

 

Vol.4 Alec Benjamin

 Alec Benjaminアメリカのアリゾナ州出身で現在25歳のSSWです。彼は若くしてひたむきに音楽活動を続けてきたアーティスト。Eminem,John Mayer,Paul Simon,Justin Bieber等から影響を受けた彼は、ネット上にアップした楽曲が話題になり18歳にしてレーベルと契約を結ぶも、1枚目のミックステープ「America」リリース後に契約は終了。しかしめげずに彼は自らヨーロッパツアーを計画し、さらにはShawn MendesTroye Sivanのコンサート会場外にて開場を待つ観客たちの前で路上ライブをし立ち止まってくれた人々には名刺を配って回ったとのこと。また自身のYouTubeチャンネルでは精力的に新曲をアップし続け、着実にファン層を広げていきました。

 そしてついに2017年にリリースした「I Built a Friend」がヒット、その後も着実にヒット曲を連発しYouTubeチャンネル登録者は現在150万人以上、Spotifyでのマンスリーリスナー数は1200万人以上(世界トップ250以内)と彼が自らの手で行ってきた地道な活動は実を結び、現在最も注目される若手アーティストの1人になるまで上り詰めました。

 

 まずは彼の1番の代表曲「Let Me Down Slowly」を。

 

  彼は自分自身を「ナレーター」だと称します。それはスポットが当たるのは彼自身ではなく楽曲、そしてその中で描かれる物語であるということではないでしょうか。「Let Me Down Slowly」ではまさに今関係を解消しつつある相手に対して、「すぐに君が去ってしまうのは寂しいから、せめてゆっくりといなくなってくれないかな」と願う1人の男性が描かれています。彼女と夜を過ごしたベッドを「This night is cold in the kingdom」と表す可愛いげのある表現から、その彼女がベッドを出た際に感じた彼の寂しさを「Now I'm slipping through the cracks of your cold embrace」(君の冷たな抱擁の割れ目から、僕という存在が零れ落ちている)と詩的で悲しげな表現まで、彼の歌詞における表現の幅みたいなものがとても魅力的です。是非とも生で聴いてみたい曲。(ちなみにAlessia Caraとのデュエットバージョンもある)

 

続いておすすめするのは、「If We Have Each Other」です。

 

 歌詞はもちろん、彼の1番の魅力はやはり歌声でしょうか。歯切れよくつぶやくように歌われるこの曲は、サビを迎えると一転「天使の歌声」と呼ばれる彼ののびやかな歌声によってまるで楽曲がもつ空間みたいなのが広がったような錯覚に陥って心にすっと入り込んでくるような気分になります。

 

 昨年デビューアルバム「Narrated For You」(前述2曲も収録)をリリースした彼ですが、今年になっても勢いは留まりません。「Must Have Been The Wind」「Jesus in LA」と新曲を立て続けにリリースしています。

 新曲はどちらもアコースティックギターを中心に優しげな曲調が耳を引きます。彼の楽曲はどれも耳に残るメロディがやはり素敵、あのEd Sheeranを引き合いに出したくなるくらいです。

 

 2019年大ブレイク必至、まだまだ躍進を続けているこのタイミングで日本でも見れることに感謝しつつどんなライブになるのか楽しみです。

 

次回は「Tash Sultana」を紹介します、いよいよ本番が近付いてきましたのですぐに投稿すると思います。お楽しみに!

 

前回記事↓


yamapip.hatenablog.com

 

Narrated For You