The 1975「Yeah I Know」歌詞和訳・解釈
5/22にリリースされたThe 1975による4枚目のアルバム「Notes On A Conditional Form」収録曲である「Yeah I Know」
シンセサイザーとドラムキットを用いたエレクトロミュージックであり、また歌詞は自己との対話が描かれているようです。
和訳だけ読みたい方もいらっしゃると思いますので、脚注は下段にまとめています。気になる方はそちらもご一読いただくとより楽しめると思います。
和訳
Pick a card
さあカードを選べ
Yeah, I know
ああ、分かってるさ*1
Time feels like it's changed, I don't feel the same
時間は移り変わる、でも自分はそうではなかった*2
Live in Mars
火星に住め
Fuck it up
くそくらえ*3
Emas eht leef t'nod I, degnahc s'ti ekil sleef emiT
たっかなはでうそは分自もで、るわ変り移は間時*4
Stop the tube
テレビを止めろ
Kick the head
頭を蹴り飛ばせ*5
(Hit, hit, hit, hit, hit, hit, hit, hit)
Hit that shit, go hit that shit…
さあ扉を叩き開けろ…*6
Pick a card
さあカードを選べ
Yeah, I know
ああ、分かってるさ
Time feels like it's changed, I don't feel the same
時間は移り変わる、でも自分は同じではなかった
Try your best
最善を尽くせ
Yeah, I Know
ああ、分かってるさ
Emas eht leef t'nod I, degnahc s'ti ekil sleef emiT
たっかなはでうそは分自もで、るわ変り移は間時
解釈
*1:「配られたカードで勝負するっきゃないのさ、それがどういう意味であれ」とは漫画「ピーナッツ」のキャラクターであるスヌーピーの有名なセリフ。
この楽曲で描かれるのは自分自身との対話ではないでしょうか。まさしく配られたカードの中から選択する、自身の決断を迫られることからこの歌詞は始まります。そして分かってる、と自身に応える。
*2:世の中は常に変わっていくのに反して、自身の変化は感じられない。これは大きな焦燥感を生むものです。もちろん自身の変化と言うのは、往々にして他人からの指摘で知らされる部分が多く、自分では気づきにくいものでもありますが。
自身の変化の有無は別として、ネット社会の変化は急激でそこに身を置くのは難しい、というのは誰しもが持ったことがある感覚かもしれません。
*3:火星移住計画というのは度々議論となる話題ですね。火星に住むことについて「くそくらえ」と返してるのは、計画自体の実現が夢物語だということか、「The 1975」「People」で挙げている環境問題を宇宙移住で片づけるなんて馬鹿馬鹿しいということか、はたまた火星に移り住んでもいずれ同じように環境問題を引き起こすという皮肉なのか。
もっとも、火星移住計画はなにも子供の空想遊びというわけでもないようで、科学的な視点からも多くの指摘・提案など見られ、調べていくととても興味深いトピックです。
*4:
ここでは「Time feels like it's changed, I don't feel the same」が反転しているみたいです。
先で指摘したように、この楽曲は自身との対話であると感じます。言葉が反転するのは、何度も内心で考えを反芻した結果、思考がぐるぐる回る様子が表れているように感じました。
*5:頭を蹴り飛ばせ、とはどういうことなのでしょうか?私は2つ想像しました。
1つは部屋でゴロゴロしていたら、ダラダラしてないで何かしろと怒られている図です。一昔前の漫画とかで、口うるさいお母さんに蹴り飛ばされるみたいなコミカルな絵のような。
もう1つは比喩的なもので、思考を放棄するなというメッセージ。「kick」には刺激を与えるという意味もあり、世の中の出来事を見て自分で考えるべきだというのがこの一節の意味合いなのではないかと思います。
「People」には
We need to get this in our fucking heads
という一節があり、同じく社会の出来事は退屈であっても考えなければならないということが伝えられています。
*6:「hit that shit」はタバコや薬物を摂取する、物を押す・叩く、男女で交わる等々いろんな用法があるようですが、ここでは「テレビを消せ」という言葉から部屋にいることが想像できたので、「扉を叩いて外に出ろ」と解釈しました。